今の生活は「何か」が足りない
そんな方向けの記事です。
FIREしたい方は、現在の生活に不満を抱えた状態だと思われます。
- 仕事がつらい
- もっと自由な時間が欲しい
- とにかく縛られたくない
など、人それぞれ様々な理由があるでしょう。
これらに共通しているのは「自由になりたい」という欲求だと思われますが、何が満たされていないが故に発せられた欲求なのでしょうか?
本記事では「精神科医が見つけた 3つの幸福」という本を参考にしつつ
「FIREの民に足りていない幸福は何か」
について考えてみたいと思います。
3つの幸福とは

本記事の前提です。
「精神科医が見つけた 3つの幸福」には「幸福は3つに分類される」という考え方が紹介されています。
- ドーパミン的幸福
- オキシトシン的幸福
- セロトニン的幸福
この3つです。
それぞれを簡単に見ていきましょう。
① ドーパミン的幸福
「成功・お金」による幸福です。
- 仕事で成果が出た
- ボーナスが支給された
- 彼女ができた
こんなときに感じる幸福は、脳内物質のドーパミンが関係しています。
ドーパミン的幸福は持続力がなく、時間とともに逓減していくのが特徴です。
ボーナスを嬉しいのは貰って数日間くらいで、またすぐ次のボーナスが待ち遠しくなります。そして、いつの間にか「貰って当たり前」という感覚になります。
② オキシトシン的幸福
「つながり・愛」による幸福です。
- 家族とスキンシップする
- ペットと遊ぶ
- 他者貢献する
これらは何度繰り返しても飽きないという特徴があります。
③ セロトニン的幸福
「心と身体の健康」による幸福です。
- たくさん寝てスッキリ快調
- 運動をして清々しい気分
- 景色が綺麗だと感じる
こちらも何度繰り返しても飽きません。
美しい景色は何度見ても美しいのです。
幸福の優先順位について
「精神科医が見つけた 3つの幸福」では3つの幸福に優先順位をつけています。
↓
オキシトシン的幸福
↓
ドーパミン的幸福
この順番です。
「心と身体の健康」を確保し、「つながり・愛」を満たし、「成功・お金」を手に入れる。
この順番でないと、幸福になるどころか、かえって不幸になると言います。
「成功・お金」を手に入れた人が幸福でないパターンは、幸福の優先順位が間違っているのです。
何度繰り返しても飽きない「セロトニン的幸福」と「オキシトシン的幸福」を幸福の基礎・土台とし、その上に「ドーパミン的幸福」を積み上げる順番でないと、どこか満たされない状態になってしまいます。
3つのうち、足りない幸福はどれか

前提が長くなりました。ここからが本題です。
結論から言うと、FIREの民には「セロトニン的幸福が足りていない」と私は考えています。
私の観察範囲ではありますが、FIREの民がよく口にする言葉は
- もっと休みが欲しい
- お金よりも自由が欲しい
- 労働に対するあらゆる不満
などであり、これらは明らかに「心と身体の健康」が(大なり小なり)損なわれている状態と考えます。
労働という名のストレス源を遠ざけたいという欲求がFIRE願望であり、「心と身体の健康」を取り戻したいという欲求が根底にあるようでなりません。
「やりたい仕事を実現するためにFIREしたい」という人を稀に見かけることがありますが、おそらくそのような人は少数派で、大多数の人は「巨大なストレス源」から逃避したいと考えているのではないでしょうか。
もし、FIREの民が「ドーパミン的幸福」を求めているのであれば、出世や昇給、起業(独立)などに注力するはずですし、「オキシトシン的幸福」を求めているのであれば、(独身者であれば)婚活に力を入れるはずです。
しかし、私の観察範囲ではそのようには見えません。
また、FIREの民は「お金」に対する関心が人一倍強いと思われますが、これはお金そのもの(ドーパミン的幸福)を求めているわけではなさそうです。
お金によって得られる「自由」を求めており、別の言葉で言い換えれば、「恒久的なセロトニン的幸福」を求めているとも取れます。
「心身共に健康的で、清々しい気分で毎日を過ごしたいという欲求がFIRE願望の正体」と言えなくもなさそうです。
よって本記事では、FIREの民は幸福の土台、基礎となる「セロトニン的幸福」が十分に足りていない、と結論付けます。
(余談ですが、「FIはしたいけど、REはしたくない」という人は「セロトニン的幸福が満たされている状態」だと想像しています。幸福の土台がしっかりしているからこそ、長く働こうとする意欲が湧くのではないでしょうか。)
FIRE時期を早めることより大切なこと

「FIREの民はセロトニン的幸福が足りていない」という前提で話を進めると、「過度な倹約や労働でストレスを抱えながらFIRE時期を早める」という行為は悪手のように思えます。
なぜなら、上記は現在のセロトニン的幸福を今以上に減らす行為だからです。
過度な倹約や労働(副業を含め)はFIREのハードルを大きく下げますが、やりすぎは苦痛を伴います。
これは、しっかりしていない幸福の土台を更にバランス悪くする行為であり、自分で自分の首を絞めているようなものです。
FIREまでの年数を計算してはため息が出るのは私も同じですが、焦りは禁物だと考えます。
極端なことをすればFIRE時期を早めることは可能ですが、心と身体の不調を直すのが先決です。
また、セロトニン的幸福が満たされれば、FIRE時期が早まらなくても人生は好転すると思われます。
セロトニン的幸福(土台)がしっかりしていれば、極端な行動でFIRE時期を早めるよりも前向きな行動を取りやすくなるからです。
FIRE計画は長く険しい道のりです。
ですから、FIRE時期を早めようとするのは、セロトニン的幸福が満たされてからでも遅くないのでは?と私は考えます。
FIREを数年早めることに躍起になるよりも、今この瞬間の「セロトニン的幸福」を満たすことに関心を向けたほうが、より良い人生に繋がるのではないかと思います。
「精神科医が見つけた 3つの幸福」にはセロトニン的幸福を満たすための具体的行動例が多く紹介されています。
セロトニン的幸福が足りていないと感じる方は、何か一つでも行動に移してみてはいかがでしょうか。
(書籍でも紹介されていますが、散歩は本当におすすめです。)
まとめ
- FIREの民は「セロトニン的幸福」が足りていない
- FIRE時期を早めるより、「セロトニン的幸福」を満たす方が最優先
- 「セロトニン的幸福」を意識した行動を今すぐ意識
「絶対にFIREする!」という意気込みで頑張りすぎると、心身共にいつか限界がきます。
未来にばかり目が行きすぎて、今を犠牲にしてしまうためです。
今満たされていないであろう「セロトニン的幸福」に着目し、今を満たしつつ、たとえ時間が掛かろうと、着実にFIREへの道を歩む。
そのようなアプローチの方が途中で燃え尽きることもなく、結果的に理想のライフスタイルに近付きやすくなると思うのですが、いかがでしょう。
本記事で紹介した「3つの幸福」について詳しく知りたい方は、是非「精神科医が見つけた 3つの幸福」を読んでみてください。
以上、終わりです。
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