多くの人は大なり小なり生きづらさを感じて生きています。
そんな中、「あなたの生きづらさの原因は〇〇かもしれませんよ。〇〇した方がいいですよ。」といった意見は、共感されると拡散されやすいのですが、「生きづらさ」はそんな単純な理解では解決できる問題ではないと感じます。
実際には自身の生育歴や発達の凹凸、生活習慣など、多視点で捉えなくては真に理解することはできないかと思うのです。
そこで、本記事では私が自分の生きづらさを理解する上で役に立った本を5冊厳選して紹介しようと思います。
何かの参考になれば幸いです。
発達障害「グレーゾーン」 その正しい理解と克服法
近年、生きづらさの原因を「発達障害」で解説する本が流行っています。
ADHDや自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群等)など、聞いたことがある方も多いと思います。
「もしかしたら自分は発達障害で生きづらい?」と思った方がある方もいらっしゃるかもしれません。
発達の凹凸は誰にでもあり得るものであり、むしろ凹凸がない人の方が実は少ないのでは?と思います。
実際、心当たりがある人が診断の目安となるチェック項目を見れば、いくつかは当てはまってしまうものです。
しかし、おそらく多くの人は発達障害の診断が出るほど重度ではなく、発達障害と健全な状態のどこかに位置する「グレーゾーン」の場合が多いと想像します。
「そのけがある」くらいの方は「グレーゾーン」について解説しているこちらの本をおすすめします。
(興味がある方は続編もおすすめです。)
「発達障害」と間違われる子どもたち
近年、発達障害の診断が下る子どもが増えているようですが、それは本当に発達障害なのかを疑う視点で書かれた本です。
集中力がない、攻撃性がある、イライラしやすい、多動、言葉の裏側のニュアンスを読み取れない、頭が常にもやがかかっているような状態など、発達障害を疑われた子供たちの生活習慣を調査すると、健全とは呼べない状態であるケースが多々見られたそうです。
親と一緒に深夜の一時まで起きていたり、朝日を浴びず朝食も食べない、慢性的な睡眠不足などなど。
そんな子どもたちの生活習慣を改善させたところ、発達障害のような行動は早くて1週間で改善が見られることもあるそうです。
本書は子どもについて書かれた本ですが、大人にも当てはまる内容だと思います。
長年の生活習慣を見直せば、生きづらさの改善にいくらか貢献してくれそうと思える本です。
発達性トラウマ 「生きづらさ」の正体
過去のトラウマによって発達障害らしい症状が出ることを解説した本です。
トラウマによって引き起こされる症状は発達障害に似たものがありますが、発達障害とは本来先天的なものです。
トラウマ要因の症状は後天的、つまり改善の余地があります。
トラウマの克服という観点から自身を見つめ直せば、生きづらさを少し和らげることができるかもしれません。
愛着障害~子ども時代を引きずる人々~
幼少期に適切な愛着を注がれなかった場合、それが愛着障害となって大人になってからも苦しめられる人がいます。
人とのコミニュケーション、距離感、社会性、他人を信頼すること、などに難がある人のことです。
私自身は当てはまらなかったのですが、人の話を聞くと、どうやら幼少期の経験が生きづらさの原因になってるケースが少なくないようです。
幼少期にトラウマがある方はこちらの本もおすすめです。
子どもの脳を傷つける親たち
幼少期に親から受けたマルトリートメント(不適切な養育)を受けると脳にどのような影響を与えるか、を解説した本です。
マルトリートメントとは、体罰や暴言など明らかな虐待のみならず、子どもを傷つける行為全般のことで、どの家庭でも起こり得ることを指します。
マルトリートメントを受けると、脳の特定の領域が萎縮してしまうそうです。
それが大人になってから生きづらさに繋がっているケースがあります。
本書は子育て中の親向けの本ですが、研究結果をもとに客観性を持って解説された本なので、子育て中でなくても参考になる部分があると思います。
まとめ
生きづらさと紐付く言葉にはHSPやAC(アダルトチルドレン)、孤独、貧困など、色々なものがあります。
しかし、大元を辿ると「どう育ったか」と「脳の状態がどうなってるか」に帰結するような気がします。
先天的なものは何とも言えないですが、後天的な生きづらさの場合には適した改善策があるはずです。
それを(専門家以外の)誰かに示してもらうのではなく、自分自身で探ることで少しづつ和らいでいくのが「生きづらさ」なのかなと思います。
以上、終わりです。
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