そんな方向けの記事です。
突然ですが、あなたは「セロトニン」という神経伝達物質をご存知でしょうか?
セロトニンは気分の安定に重要な働きをしており、上手く機能しないと不安症や抑うつ症に陥ると言われています。
橘玲氏の著書「もっと言ってはいけない」によると、日本人は「脳内のセロトニン濃度が生得的に低い(仮説)」ため、不安を感じやすい人が多いようです。
その反面、良いことにも敏感に反応しやすいとも書かれています。
脳内のセロトニン濃度が低いと不安を感じやすく、幸福を感じにくいですが、自分に合った環境に身を置くことができれば、その分幸福になりやすいのです。
本記事では、「もっと言ってはいけない」を参考にしながら
不安症でストレスを感じやすい人ほど、FIRE生活に向いている
と考える理由を書こうと思います。
日本人は脳内のセロトニン濃度が生得的に低い理由

「もっと言ってはいけない」では、「日本人は脳内のセロトニン濃度が生得的に低い理由」を「セロトニン運搬遺伝子」で解説しています。
セロトニン運搬遺伝子は「L型」と「S型」があり、この組み合わせによって「LL」「SL」「SS」という3つの遺伝子型に分けることができます。
細かい説明は省きますが、遺伝子型の違いによる特徴は下記の通りです。
SS < SL < LL
SSの遺伝子型を持つ人が最も脳内のセロトニン濃度が低く、不安症でストレスを感じやすいのです。
また、日本人の各セロトニン運搬遺伝子の保有比率は下記の通りになります。
- SS(65.3%)
- SL(30.7%)
- LL(4%)
日本人の「SS」の保有者は65.3%と世界で最も多く、ドイツ(18%)、イギリス(17.6%)、イタリア(28.7%)と比べると差は歴然です。
遺伝子型だけを見て判断すると、日本人の65.3%が不安症でストレスを感じやすいと考えられます。
SS保有者は良いことにも敏感に反応しやすい

SS保有者は不安症でストレスを感じやすいため、「遺伝的に生きにくいのか」と言うと、実はそうでもありません。
SS保有者は「悪いことと良いこと、どちらにも敏感に反応しやすい」という仮説で説明されており、実際にいくつかの実験でその傾向が見えているようです。
つまり、日本人の65.3%を占めるSS保有者は、自分に合った環境に身を置きさえすれば、幸福を感じやすいとも解釈することができるのです。
逆に、LLを保有する人はストレスに強く楽観的に見えますが、これは単に刺激に対して鈍感なだけで、良いことに対しても鈍感なのです。
(ここまでが「もっと言ってはいけない」に書かれている内容になります。)
FIRE民は刺激に対して敏感

ここからは、私が狭い範囲を観察した結果から、想像して書きます。
Twitterを見ていると、FIREを目指している人(=FIRE民)は自身の置かれている環境から、決して弱くないストレスを感じているように見受けられます。
そして、将来に対する不安感が強いからか、投資や節約、副業など、将来を良くするための行動を熱心に取り組んでいる方が多い印象です。
この傾向はまさにSS保有者の特徴であり、刺激に対して敏感であることの表れだと考えます。
また、FIRE民が刺激に対して敏感なのは「悪いこと」に対してだけでなく、「良いこと」に対しても同様です。
一つ象徴的な具体例として、FIRE民の多くが「散歩」を日常に取り入れていることが挙げられます。
散歩を取り入れている理由は人それぞれ違うかと思いますが、共通しているのは、その行為自体を「楽しんでいる(ように見える)」という点です。
視界に映る景色、日差しや気温から感じる季節の変化、自分の体に起きる微妙な変化などに気付ける敏感さがなければ、散歩を楽しむことはできません。
ストレスには強いが刺激に鈍感なLL保有者は、強い刺激でないと反応できないため、散歩では満足できないと想像します。
このように、FIRE民は不安症でストレスを感じやすい反面、小さな刺激に対しても敏感に反応することができるのです。
FIRE生活は小さな刺激を堪能できる

FIRE後の生活では、大きなストレス源から解放され、日々の刺激は相対的に小さくなるものと想像します。
FIREによって時間的、精神的余裕ができると、散歩のような低刺激な行動を日々に取り入れやすく、幸福を感じやすいはずです。
このように、刺激に敏感なSS保有者がFIREすると、マイナスに思えた特徴が一気にプラスに転じると思われます。
そう考えると、「不安症でストレスを感じやすい人ほど、FIRE生活に向いている」と言えなくはないでしょう。
逆に、ストレス耐性があり、刺激に鈍感なLL保有者には向かないライフスタイルかもしれません。
まとめ
- FIRE民は刺激に対して敏感
- 不安症でストレスを感じやすい
- 小さな刺激でも幸福を感じやすい
- FIRE後は敏感さがプラスに働く
本記事は、物事をある一面から捉えたに過ぎませんし、ただの推測でしかありません。人の性質はこんなに単純ではなく、実際はもっと複雑です。
しかし、物事を単純化して理解することは、自分という複雑な存在を理解する手助けになると考えます。
本の紹介で紹介した「もっと言ってはいけない」では「日本人とセロトニン」に関する章があります。日本人の多くが生きづらさを感じている理由を文化的・遺伝的観点から述べられており、非常に興味深い内容でした。
ご興味がある方は、是非読んでみてください。
以上、終わりです。
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コメント
セミリタイアは不思議だよな。
会社生活では不利だったことがすべて有利になる。
なかなかこれほど逆なことも珍しいのではないかと思える。