FIREしたらやっと「本当の人生」が始まる
そのように考えている方向けの記事です。
先日、「限りある時間の使い方」という本を読みました。
本書では「将来のための準備をし続ける限り、いつまで経っても自分の人生を生きられない」のような内容が書かれています。
FIREを目指している人に関係がありそうな、印象的な箇所を一部抜粋します。
『教育について考えてみればいい。まるで詐欺だ。まだ幼い子どもの頃から保育園に入れられる。保育園では、幼稚園に行くための準備をしろと言われる。幼稚園に入ったら1年生の準備、1年生になったら2年生の準備。そうやって高校生まで行ったら、今度は大学に行く準備だ。そして大学では、ビジネスの世界に出る準備をしろと言われる。……こんな人生、顔の前にぶら下がった人参を追いかけるロバみたいなものだ。誰もここにいない。誰もそこにたどり着けない。誰も人生を生きていないんだ。』
これは「FIREするまで今を我慢しようとしてる人」にも当てはまると感じました。
そのような人はFIREできたとしても、なんらかの準備がまた始まってしまい、延々と今を生きられない満足度の低い生き方になるのではないか、と私は思います。
FIRE後を充実させたいのであれば、資産形成と同じくらい、今この瞬間を大切にする姿勢もまた重要だと考えます。
そこで本記事では
「FIREを目指す過程における時間の使い方」
について考えてみたいと思います。
人は将来のために楽しみを先延ばしにしがち
冒頭で抜粋したように、私たちは将来のために今の時間を使うことが半ば習慣化しています。
仕事、副業、スキルの取得、節約、資産形成などは、それそのものがしたいわけではなく、将来の自分を有利な状態にするため、「仕方なく」やっている人も少なくないはずです。
もちろん、仮に「仕方なく」であっても、上記のような未来への投資が重要であることは間違いありません。
未来を見据えた行動なくしては、現状を維持することも難しいはずです。
しかし、「仕方なく」やっていることが1日にちの大半を占めてしまうのは問題があります。
「仕方なく」やっていることが面白くないのはもちろん、楽しみや満足を日常から追い出し、未来へ先延ばしにすることに繋がるからです。
将来をより良くするため、(半ば強迫観念にかられながら)今を犠牲にしてしまいます。
目指すものがFIREとなると、犠牲にする時間は非常に長きに渡ります。
仕事をして、節約をして、副業をして、、、これらによって今の楽しみを先延ばしにして、遥か先にあるFIREを目指しているのであれば、一度立ち止まって考えてみるべきだ、と私は思います。
確かに、FIREすることが最優先事項であれば、FIREのためにリソースを割くのが最適です。
しかし、求めているのはFIREではなく、「FIRE後の生活」であるはずです。
また、将来の準備に慣れてしまった人は、FIRE後であっても「将来のため」という未来志向の呪縛から逃れることが困難だと思われます。
FIREした途端に自由な状態に切り替わるわけではなく、また別の問題(老後に向けてどうすべきかなど)に目を向けるようになるのがオチでしょう。
そのように考えると、今この瞬間を本来求めている「FIRE後の生活」に少しでも近づけられないか、という視点も持っていた方が、後悔のない人生を送れるのではないでしょうか。
「FIREしたら暇になる」の危うさ
話は変わりますが、よくあるFIRE批判に「FIREしても暇になるだけ」があります。
これは「暇=悪」が前提の意見であると思われますが、そもそも暇は悪なのでしょうか。
私自身はそうは思いません。
暇であればやりたいことがあればすぐに飛びつけるし、のんびりと穏やかに過ごすことができます。
暇であれば精神的な余裕ができるため、ちょっとしたことでは心が乱れませんし、日常の些細なことも楽しめるようになるでしょう。
私の中では、お金があって暇な状態は「豊かさの象徴」なのです。
問題なのは、会社から離れたとき、有り余る時間を自分自身の意思で使うことができない場合です。
暇は悪ではありませんが、「暇だし〇〇やるか」と思うようなことがないのであれば、暇はただの「退屈」に変わります。
このニュアンス、伝わりますでしょうか。
「暇だし〇〇やるか」と思えるかどうかは、FIRE前の時間の使い方で決まると思われます。
過度に我慢することなく、FIRE前から楽しみや満足感を大切にできていないと、暇を満喫できないかもしれません。
いつまで準備を続けるべきか
FIREするためにも、より良い人生を歩むためにも、将来のために準備することは大切です。
しかし、ずっと同じウェイトで準備を続けるべきではありません。
学生や社会人なりたての人が将来の準備をするのと、40代50代が準備するのでは効果が違いますし、残された時間も違います。
長期的に取り組むべきこと(資産形成とか)はありますし、同時に今しかできないことも数多くあります。
この「今」と「将来」のバランス感覚を、その都度調整していくのが理想的ではないでしょうか。
(去年のバランス感覚が、今年でも適しているとは限りませんからね。)
今この瞬間は「今」しかないという感覚を持てば、今、どの程度の時間と労力を準備に費やすべきかが見えてくるかと思います。
バランス感覚を欠いた時間の使い方をしてしまうと、「もっと〇〇しておけばよかった」と、後悔することになりかねません。
時間ほど大切なものはないのですから、今この瞬間の時間の使い方が本当に納得がいくものなのか、定期的に自身に問う必要がある、と私は考えます。
まとめ
- 人は楽しいことを将来に先延ばししがち
- 「暇」は悪いことではない
- 今この瞬間は「今」しかないという認識を持とう
周りを見ていると、学生時代から真面目に生きてきた人ほど、将来の準備に熱心になる傾向がありそうです。
準備をやめて今を楽しもうとすることに抵抗がある人も、中にはいるのかもしれません。
しかし、将来は「今の積み重ね」であることを考えると、今楽しもうとする姿勢が、将来も楽しくしてくれると思うのですが、いかがでしょう。
本記事で紹介した「限りある時間の使い方」は人生について新たな視点を与えてくれる良書です。
FIREを目指している方には、きっと何か刺さるものがあると思いますよ。
以上、終わりです。
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