最近、FIREに対する批判的な意見をネット上でよく見かけます。
批判的な人から見ると、FIREを目指す人には「人生後ろ向き」な雰囲気を感じるものと想像します。
「働きたくない」「自由に生きたい」という部分のみを抽出して判断(反応)するのであれば、「人生後ろ向き」な雰囲気を感じるのも無理はありません。
人がどのように感じるかはその人の自由であって、感じ方に意見するつもりはありません。
「人生後ろ向き」と思われても私自身は全く問題ありません。
しかし、このようにも思うのです。
現状を変えようと何らかの行動を起こしており、意識が未来に向いている状態です。
動かした足が前に出ているのか、後ろに出ているのかは未来になってみないとわからないかもしれないですが、少なくとも「現在地に留まろうとはしていない」と言えます。
現状を能動的に変えようとしている点で、「人生に対する積極性」があり、人生に対してプラスに働くことは間違いないと考えます。
そこで、本記事では
「FIREを目指すことによる、人生へのプラスの効果」
について考えたいと思います。
現在地を把握する効果がある

FIREを目指す人の多くは、遠い先の未来に目標を定めることになると思います。
これを長距離ドライブに例えてみましょう。
目標が定まれば次に考えることは道順ですが、何も考えずとも道順がわかるのはカーナビがあるおかげです。
カーナビがない時代は紙の地図を使用していましたが、道順を考えるためには、まず現在地を知る必要がありました。
自分がどこにいるかもわからず走り出してしまうと、想定より遅くに到着することはおろか、辿り着けないことさえあるかもしれません。
話をFIREに戻しましょう。
人生の目標において、カーナビのような最適な道順を示してくれるツールは存在しません。
自分の頭で道順を考えななくてはならないのです。
その際に必要不可欠なのが「現在地」の把握です。
地図上の現在地であれば標識や建物を目安に把握することができますが、「人生における現在地」はそう簡単に把握できません。
非常に抽象的な表現ですが、要は
- 自分がどのような価値観を持っており
- これからどうしたいのか
をはっきりと理解できていることが、「人生における現在地」を把握している状態と言えます。
FIREを目指すことで、この「人生における現在地」を把握することに繋がるのです。
なぜなら、「FIREを目指している」ということは、FIRE後の未来と現在を比較しているということであり、比較するためには両者を明確にする必要があるからです。
その過程で
- 自分がどのような価値観を持っており
- これからどうしたいのか
が(いずれ)明確になる、という理屈です。
仮に、人生における目標が変わったとしても、この「人生における現在地」の把握が重要になると考えます。
人生を何に使うか考える

FIREするまでは長い時間が必要です。
そして、FIREしてからも長い時間が待っています。
FIREを目指すと、この長い時間を自然と意識することになるはずです。
長い時間を意識した際、「今の生き方をこの先も続けていいのか?」と問うことに繋がると考えます。
「FIRE」という目標に向かっている中でさえ、自問自答を繰り返すはずです。
FIREを目指すがゆえに極端な倹約に走ればそれを問い、いやいや仕事を続けているのであれば、それを問う。
そのような問いを繰り返すことで、「人生を何に使うか」が明確になっていくと想像します。
「人生で何を成し遂げたいか」なんて大それた話ではなく、「どのような人生を送り、満足したいか」という話です。
人生を長いスパンで考える

ここまで書いてきたように、FIREを目指すことで人生を「長いスパン」で考えることに繋がります。
長いスパンといっても、1年や10年といった明確な期間ではありません。
「FIREを目指す」とはどのように生き、死んでいくかを考えることでもあります。
つまり、「死ぬまでの長いスパン」を少なからず意識して生きることに繋がるというわけです。
死がいつ訪れるのかわからない以上、明確な期間を定めることはできません。
極端な話、死ぬのは明日かもしれないし、60年後かもしれない。
だからこそ、今の生き方を問うことになるのです。
死期がわからない以上、考えたところで明確な答えが出るわけではありません。
しかし、「答えを探そうとする姿勢」は人生に対する積極性の現れであり、それ自体に十分な意義があると考えます。
まとめ
ここまで、「FIREを目指すことによる人生へのプラス効果」について考えてきました。
- 現在地を把握する効果がある
- 人生を何に使うか考える
- 人生を長いスパンで考える
こんな効果があると私は考えています。
実際にFIREできるかどうかに関係なく、上記の効果によって人生の満足度は少しずつ上がっていくと思うのですが、いかがでしょう。
以上、終わりです。
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