「今を生きる」という考え方があります。
これは、過去や未来に囚われていると幸せになれないから、今この瞬間に起きていることを楽しんだり、集中しましょうね、という考え方です。
不安やストレスを感じやすい現代人にとって、取り入れたい考え方の一つではないかと思います。
しかし、この言葉は非常に抽象的で、感覚的にはなんとなく理解できても、具体的に何をすれば今を生きることに繋がるのか、いまいちピンと来ません。
「今を生きることは大切だよな」と思っても、抽象的がゆえに、そう思ったことはすぐに忘れてしまいがちです。
そこで本記事では、
『「今を生きる」とは具体的に何をすれば良いか』
を自分なりの視点で考えてみたいと思います。
「過去や未来を考えない」という意味ではない
私の解釈では、「今を生きる」とは、「過去や未来を考えず、楽観的に生きる」という意味ではありません。
過去や未来のことを考えて考えて、考えた先に「今に生きる」という現在に集中した状態が作れるのでは、と想像します。
(元々の性格が非常に楽観的で、そのようなことをせずとも今を日々楽しめる人も観察されますが、おそらく少数派です。)
過去の出来事や、自身の選択の結果がどうなったのかを分析することで、自分の傾向をつかむことができます。
その傾向をもとに、今後どうなっていけば自分自身が幸せになれるのか、どんな状態が理想なのか。
そのような方向に考えを巡らせることで、現在取るべき行動が徐々に明確になっていき、かつ、その行動や理想像に確信が持てるようになります。
このようなプロセスを踏まず、ただ単に過去や未来について悩んでいる状態は、「考えている」ということにはなりません。
考えているのではなく、考えなくてもできることを受動的にしてしまっているのです。
正しい(と思われる)プロセスを踏んだのちに、「今を生きる」という、現在に納得感を得た状態になれるのだと想像しています。
しかし、その納得感は現在の行動の結果や、今後の出来事で揺れ動くものであって、常に安定した状態とは限りません。
いわゆる「内省」を繰り返すような作業が必要不可欠なのです。
このように、過去や未来を考えないのではなく、逆に、過去や未来を都度都度でしっかりと考えていることが「今を生きること」に繋がると私は考えています。
理想を目指しつつ、悲観して備える
「過去や未来を考えることが今を生きることに繋がる」と書きましたが、考えるべきは基本的に未来のことです。
過去を既に固定されたものであり、何度も考えても、得られるものは少ないと思われます。
未来のことを考える場合、考えるべきは下記の2つです。
理想像を考える
これは何かを目指す場合は自ずと考えることではありますが、自分の人生について長期的な目線で深く考えている人は案外少ないように観察されます。
大多数の人は周りと同じような選択をし、同じようなことに不満を持ちながらも、そこそこ頑張りながら生きています。(自分のことは棚に上げて書いています。)
しかし、「今を生きる」ためには自分の理想が明確になっている必要があります。
理想像が明確になっていない限り、現状のどこに問題があり、どこへ向かうべきかが判断できません。
その判断ができない限りは、今を生きることは難しいと考えます。
悲観的にシミュレーションする
下記記事でも紹介しましたが、未来を悲観的にシミュレーションできると、最終的な満足度が向上すると考えています。
理想像を考えるときは、必ず何かしらのバイアスがかかるものです。
理想像は「願望」が多分に含まれますが、より精度の高い(満足度の高い)意思決定をするには、現実的に起こりうる出来事について「予測」しておく必要がある、と考えます。
「予測」ができていないと、理想から離れてしまった時に右往左往してしまい、「今を生きる」ことができません。
未来について考える際は、「あらかじめ如何に悲観しておくか」が重要であり、悲観しておけば「思っていたのと違う」という状態にならずに済みます。
要するに、過去を悔やむことが減り「今を生きる」ことに繋がるわけです。
毎日淡々と理想に近づくこと
上記の考えを巡らしていくと、今行動すべきことが見えてきます。
未来の自分を正しく認識することで、より現実的な行動に落とし込めるはずです。
「理想」と「悲観」、どちらか一方の偏った見方をすれば、現実的な行動には結びつきません。
このように考えていくと、「今を生きる」とは、理想の実現を具体的な行動に落とし込み、毎日着実に、淡々と近づくことではないかと思えてきます。
着実に淡々とこなすのは基本的に地味な作業で、結構面倒ではあります。
日々仕事で疲れてるし、できれば楽な状態でありたいのが人間というもので、面倒なことはできるだけ避けたいと思うのが普通です。
しかし、「今を生きる」とは、未来の自分のために「今」めんどくさい作業を請け負うことではないかと思います。
そのような状態を維持できると、少しづつ理想に近づいていることを実感でき、「ちょっと頑張ってみるか」という気持ちになってくるはずです。
そんな好循環が生まれると、自然と今を生きていることになると思われます。
まとめ
- 過去と未来をよく考えることが重要
- 理想的な未来に悲観を取り入れる
- 「今を生きる」とは、淡々と理想に近づくこと
タイトルに「具体的に何をすれば良いか」と書きましたが、結局抽象度の高い文章になりました。
本当に具体的なことは個々人にしかわからないことなので、当然と言えば当然かもしれません。
しかし、「今を生きる」という言葉の解像度が多少は上がったのではないかと思います。
「今を生きる」を日々に取り入れることで、理想的な生き方を実現できるといいですよね。
この記事が何かの参考になれば幸いです。
以上、終わりです。
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