「FIREしたい」と「仕事を辞めたい」の違いについて

FIRE
「FIREしたい」と思うことが多い

そんな方向けの記事です。

 

「FIREしたい」というツイートを見かけることがあります。

「FIREしたい」という言葉をそのまま解釈すれば、「資産を増やしてさっさと退職したい」になりますが、皆さん実際のところどんなニュアンスでツイートをしているのでしょうか。

 

自分自身のことを考えてみると、「FIREしたい」と考えているときの多くは、仕事でストレスを感じているときであり、どちらかというと「仕事を辞めたい」の方がニュアンスとしては近いです。

「FIREしたい」には「経済的自由を達成する」という条件があるため、計画性を伴う印象があり、本来ストレスに反応する形で思い浮かべるものではない、と私は考えています。

 

私のように「FIREしたい」と「仕事を辞めたい」を同じような感覚で使っている方は一定数いらっしゃるものと推測します。

そのような方は両者を明確に区別した方が良いかもしれません。

なぜなら、それぞれ対策が異なるため、混同して使っていると解決が遅れるどころか、かえって問題を複雑にしてしまう恐れがあるからです。

 

そこで本記事では

「FIREしたい」と「仕事を辞めたい」のニュアンスの違いとそれぞれの対策

について考えてみたいと思います。

 

「仕事を辞めたい」とは

「仕事を辞めたい」と思うのはどんなときか。

人それぞれ色々なシーンがあると思いますが、共通するのは、何かしらの不自由を感じたときであり、その不自由から逃れたいと感じたときに「仕事を辞めたい」と思うのではないでしょうか。

 

この場合、不自由に感じるような「具体的な出来事(状況)」に起因していることが多いと思われます。

 

  1. 残業が多く自由な時間がない
  2. 人間関係が憂鬱
  3. やりたくないことが多い

etc.

 

全て具体的です。 

要するに、「仕事を辞めたい」と思うような原因が明確にあり、その反応として「仕事を辞めたい」という考えが頭の中に浮かぶのだと思われます。

 

また、原因が1つなわけではなく、大小数多くの「具体的な出来事」が積み重なっているのがおそらく普通です。

これは、目の前の具体的な問題を解決しないまま時間を過ごしたことによって、「仕事を辞めたい」と考えてしまう状況を生み出している、とも言い換えることができます。

実際に、「仕事を辞めたい」と考える理由を5分も考えてみれば、数多くの出来事が思い浮かぶ時はずです。

 

「仕事を辞めたい」と考えているのに仕事を辞めていないのは、仕事を続けているメリットがデメリットを上回っているわけで、これは簡単に覆ることはありません。

であれば、問題から逃げたいと思うだけでなく、問題そのものに向き合う姿勢が重要だ、と私は考えます。

単純化した例を挙げると、、、

 

仕事が向いていないし辞めたい→何が向いていない?→ミスが多いから→なぜ?→時間管理がうまくない→対策=優先順位をつける→徐々にミスが減る→辞めたいという考えが少し減る

 

みたいな感じです。

日々仕事をしている社会人としては当たり前なスタンスと言えますが、この当たり前をやればやるほど、会社での不自由を減らすことに繋がります。

具体的な問題に対しては、直接的かつ具体的な対策が有効です。

完全に解決できないとしても、良い方向に向かっている実感は精神を安定させ、気持ちが前向きになると思われます。

 

「FIREしたい」とは

一方、「FIREしたい」という考えはもっと複雑です。

目指しているのは「経済的に自由になって、早期退職」ではありますが、本当の目的はその先にあると思われます。

こんな生き方がしたい、こんな状態でありたい、そんな「抽象的な願望」がFIRE願望の先にあるはずです。

 

そうであるなら、不自由な出来事に反応する形で「FIREしたい」とは考えないかと思います。

なぜなら、こんな生き方がしたいといった願いは、本人の価値観の根底にあるものであって、外的要因によって大きく左右されない部分に当たるからです。

 

もちろん、不自由な出来事が起きることによって自分の価値観を再認識する場面はあると思います。

しかし、それはあくまで既にあるものを再認識しただけであって、出来事そのものが「FIREしたい」という考えを思い起こさせるわけではない、と考えます。

 

また、「FIREしたい」と考えながら何かしらの行動を起こしていないのであれば、宝くじを買っていないのに宝くじを当たった時の想像するのと同じで、妄想と大差がありません。

未来を思い浮かべながら何らかの行動を起こしていることが、「FIREしたいと考えている状態」だと思われます。

したがって、上記定義で「FIREしたい」と考えている場合においては特に対策などはなく、そのままでなんら問題がないことになります。

 

ここまでをまとめると、

 

「仕事を辞めたい」=「目の前のことに囚われている状態

「FIREしたい」=「現状を把握した上で未来を設計し、行動している状態

 

である、と私は分析しており、それぞれ視野と視点が大きく異なると考えています。

 

両者の違いを混同すると、問題解決が遅れる

「仕事辞めたい」と「FIREしたい」という考え、願望は別物であると述べました。

今自分は仕事から逃れたいと「反応」をしているのか、未来を「計画」し「行動」をしているのか、どちらの状態かを認識できていないと、求めている結果を得ることはできません。

 

今仕事から逃れたいのに、コツコツと資産形成を行うだけでは遠回りと思われますし、資産形成がままならないうちに仕事を辞めてしまうとFIREからは遠ざかるかもしれません。

「仕事を辞めたい」と「FIREしたい」、どちらの状態が良い悪いの話ではなく、区別して認識する必要がある、という話です。

 

もちろん、両者は明確に区別できるとは限らず、仕事を辞めたいしFIREしたい、といった想いが混在している場合も考えられます。

仕事でのストレスが蓄積している時には「仕事を辞めたい」と考え、のんびりしている時には「FIREしたい」と考える。

このように、その時々で考えが揺れ動いている状態はいたって普通です。

 

だからこそ、その都度考える必要があると考えます。

 

「自分が今どの状態であって、今何をすべきなのか」

「仕事を辞めたい」「FIREしたい」に限らずですが、現状を正しく把握することなくしては、自分の望みは叶わないと思われます。

 

まとめ

  1. 「仕事を辞めたい」=現状の不自由に対する「反応

  2. 「FIREしたい」=未来を見据えた「計画」と「行動

  3. それぞれを区別して考えよう

 

「FIRE」という言葉は毒にも薬にもなります。

正しく使用すれば自分の望む生き方をできるかもしれませんが、認識を誤ればかえってしんどい思いをするかもしれません。

 

今自分は「仕事を辞めたい」のか「FIREしたい」のか、一度立ち止まって考えてみると良いと思うのですが、いかがでしょう。

 

 

以上、終わりです。

 

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