そんな方向けの記事です。
Twitterや雑誌だけでなく、テレビでもFIRE特集が組まれている(らしい)昨今、「自分もFIREしたい」と思う人が増えているようです。
FIREは以前(2018年くらい)はまだまだマイナーなライフスタイルだったのが、今ではややマイナーくらいになった印象があります。
このよう状況下で「FIRE願望」を発信すると、賛同されたり共感されたりということがままあるでしょう。
いいねやリツイート、コメントという形で反応があると、承認欲求が満たされ、ドーパミン分泌によりちょっとした快感が得られたりもします。
承認欲求が満たされることで気分が良くなる分には可愛いもので、SNSに時間を使いすぎてしまうことくらいが「FIRE願望発信」のデメリットでしょうか。
ただ、FIRE願望の発信にのめり込むあまり、「発信したFIRE願望に、自分自身に縛られてしまう」ような状況であれば少々危険です。
発信した願望が自分の手から離れ、知らず知らずのうちに「自分を縛る言葉」となっている人は決して少なくないのでは?と想像しています。
そこで本記事では
「FIRE願望の発信による弊害」
について考えてみたいと思います。
プロセスの発信は自分の意見を増長させる

Twitter等でFIREについて発信する場合、ほとんどの人がFIRE願望、つまりFIREするまでのプロセスが発信の主な内容となります。
これは言うまでもなく、FIRE後の経験や思考は実際にFIREした人にしかできないので、何を発信するにも、全てがプロセスに該当するからです。
例えば
「定年まで働くなんてあり得ない。FIREして自由に生きたい」
「FIREするために〇〇する(してる)」
のような内容がプロセスの発信です。
何かを達成したいとき、このような願望、プロセスの言語化は、物事を継続する上で有効な手法だと思われます。
しかし、これをSNSで不特定多数の目に触れる形で発信してしまうと、「自分の意見を増長させる結果」となる恐れがあります。
昨今のFIREブームにより、FIRE願望に対する共感、賛同が得られやすい流れにあり、それが自分の意見(価値観)の正当性を裏付ける根拠になりかねないからです。
他人の意見によって新たな気づきを得て、「より深く自分のことを知る」ということはあっても、共感や賛同によって自分の価値観に自信を持つのいかがなものかと思います。
本来、自分の価値観は自分の内部で発せられ、醸成されるものだと私自身は考えているからです。
他人の意見で自分の価値観を裏付けするようになると、徐々に自分の進んでいる道しか見えなくなっていきます。
FIRE願望で頭がガチガチに凝り固まってしまい、FIRE以外の手段、目標が目に入らなくなるのです。
過去記事「FIRE願望が強いと認知が歪む?【思い込みによる弊害について】」でも言及しましたが、このような状態になると、「FIREという名のフィルター」を通してみた風景が世界の全てだと思うようになる恐れがあります。
「そこまで悪影響は受けてないよ」という方でも、頭のどこかに常にFIREが存在するようであれば、自分の人生の選択肢、可能性を狭めてしまう危険な兆候だと私は考えます。
SNSで「いいね」を過度に意識したら要注意

FIRE願望をただ発信する分にはそれに対する反応が返ってくるだけですが、「いいね」をあらかじめ意識した発信をしている場合は要注意だと考えます。
誰ともわからない人からの共感、賛同を得ようとしている場合、自分の意見(価値観)に自信が持てていない証かもしれません。
自分の意見に自信が持てないのであれば、すべきなのはSNSではなく、自分自身との対話です。
SNSは既にあるものを外に発信する行為なので、自分自身との対話には不向きと思われます。
ここで正直に告白すると、上記は自分を棚に上げて書いております。
自分が発信した内容に「いいね」がつけば嬉しいし、つかなければちょっぴり虚しい、、、
SNSは反応があってなんぼの世界なので、なんだかんだ反応があれば嬉しいものです。
引き続き棚に上げますが、これはやはり「自信のなさ」の現れだと分析します。
中にはビジネス(副業)目的でSNS運用されている方もいらっしゃると思いますし、そのような方々にとって、「いいね」などのインプレッションは重要な指標になるはずです。
しかし、そのような方は例外的で、ほとんどの人はビジネス目的でSNSを利用していないかと思います。
であれば、趣味的にSNSを利用するのが良いですし、趣味であれば自分の人生を楽しくさせる方向で利用したいですね。
発信した情報と自分自身を切り離す客観が大切

発信した時点で、それはもうただの情報です。あなた自身ではありません。
あなたは生きていて、様々な考えを巡らせることができますが、一度発信した情報は固定され、そこから変わることはありません。
従って、あなたが発信した情報に反応があっても、それはあくまで情報への反応であって、「自分自身への反応ではない」といった認識が大切だと考えます。
そのような認識を持つことで、「自分の意見を増長させる結果」となることを防ぐことが可能です。
このブログも同様で、発信した時点で私の手から離れ、ただの情報となっています。
仮に反応が来たとしても、「あくまで情報への反応」と考えるようにしています。
その方が精神的に健全です。
常にそこまで客観的になる必要はないとしても、時々はそのような視点で自分が発信した情報を観察してみると良いと思うのですが、いかがでしょうか。
まとめ
- FIRE願望の発信は自分の意見を増長させる
- いいねを期待=自信のなさの表れ
- 発信した情報と自分自身を分けて考える
FIRE願望の発信による悪い面を書いてきましたが、もちろん良い面もあります。
同じような価値観の人と繋がることができ、それがリアルな交流に繋がる。発信をすることで情報感度が上がる。など、探せばたくさん出てきそうです。
FIRE達成までは長い時間がかかりますので、FIRE願望の発信を上手に活用し、人生を豊かにしていきたいですね。
ちなみに本記事は「プロセスエコノミー」という本から着想を得ています。
本書は「プロセスを共有することが稼ぐことに繋がる」という内容が主旨ですが、その弊害も書かれています。
ご興味がある方は読んでみてはいかがでしょうか。
以上、終わりです。
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コメント
承認欲求が強い人がFIREなんかせんほうがいいと思うけどね
現実的にはただの無職としか見られないんだから