子育て期間中にFIREする場合、誰がリスクを背負うか

FIRE
子供がいるけどFIREしたい

そんな方向けの記事です。

 

最近、FIREを目指している人が増えているようですが、一言に「FIRE」と言っても、その人が

 

  1. 独身
  2. DINKS
  3. 妻(夫)子あり

 

のどれに当てはまるかによって、見えている世界が大きく異なると思われます。

特に、子供がいるかいないかの差は大きく、子供がいる場合は将来の不確定要素があまりにも多いため、FIREに必要な資産を設定するのは容易ではありません。

 

子供がいながらその時の生活費をもとにFIREしてしまうのは無謀ですし、バッファを持たせすぎると必要額が膨大になってしまい、これもまた非現実的になってしまいます。

当たり前といえば当たり前なのですが、妻(夫)子ありで子育て期間中にFIREするのはそれだけ困難なわけです。

 

しかし、FIREが困難な理由は単に資金の問題だけの話ではないと思われます。

問題の本質は、子育て期間中にFIREした場合、「誰がリスクを背負うのか」にあると私は考えています。

 

リスクを背負うのは誰か

ここでいうリスクとは「FIRE後、何らかの理由で経済的自由を維持できなくなり、危機に陥ってしまうこと」です。

FIREを決断した際は大丈夫だと見込んでも、人生何が起こるかわかりません。

 

独身の場合

登場人物が一人なので、リスクを背負うのは当然本人です。

 

仮に親や兄弟等に頼れば家族もリスクを背負うことになりますし、最悪生活保護になれば国(国民)もリスクを極一部背負うことになります。

しかし、一時はFIREできるほどの資産を築ける能力があるわけですから、心身が健康であれば、本人の努力次第で自分の生活費くらいは稼げるはずです。

 

つまり、独身の場合は困るのは基本的に自分自身のみだと思われます。

 

DINKSの場合

DINKSの場合も同様で、リスクを背負うのは基本的に本人たちのみです。

DINKSの場合はスケールメリットがある分、独身よりも相対的に生活費を抑えられますし、片方だけが働くなど柔軟な対応ができるため、独身よりもリスクが小さいと思われます。

 

子あり世帯の場合

子供がまだ経済的に自立していないのであれば、親だけでなく子供もリスクを背負うことになります。

親の経済基盤が揺らいだ時、子供にも何らかの我慢を強いる場面が出てくるかもしれません。

(引越しを強いられる、進学の幅が狭まる、奨学金を借りざるを得なくなるなど、いろいろなケースが考えられます。)

 

独身やDINKSと違うのは、FIREという意思決定をした本人(たち)以外にリスクを背負わされている存在がいるということです。

FIREを望んで実行したのは親であり、子供の意思とは関係がないはずです。

 

もちろん、FIREしようとしなかろうと、親の都合により子供がリスク(生活が危機に陥ること)を背負うことはあります。

親の転勤や転職、離婚、妹や弟ができることも子供にとってはリスクに該当するかもしれません。

 

しかし、FIREの場合は子供視点から見て擁護のしようがないように思います。

完全に親の都合であり、結果的には安易と思われる過去の選択により、我慢を強いらされてしまってはたまったものではないからです。

 

人的資本が失われれば、柔軟性は失われる

ここまでの話は、人的資本がゼロになる形でFIREした場合の話です。

経済基盤を金融資産だけに頼る形になると、どうしても柔軟性が失われてしまいます。

 

会社を辞めて時間が経ってしまった場合、よほどスキルがない限り以前の収入には戻れないはずです。

自分や配偶者のみであればそれでも問題ないかもしれませんが、子供がいる場合はそうもいきません。

 

人的資本ゼロの上に働かざるを得なくなった場合、一歩間違えれば前よりも不自由な生活になりかねませんし、そんな状況で家族が幸せに暮らせるとは到底思えません。

それ故、仮にFIの状態にあっても子育て期間中は人的資本をゼロにすべきではない、と私自身は考えています。

 

これは会社を辞めることができないというわけではなく、何らかの方法で稼ぐことを継続する必要があるということです。

副業が軌道に乗っているのであれば、それを続ける前提でREするのは選択肢に入るとは思います。

しかし、子供にリスクを背負わせないという観点から見ると、会社員として働き続けた方が安定感があり、よりベターだと私は考えています。

 

覚悟を決めて、地に足をつけた生活を

昨今は空前の(?)FIREブームですが、子育て期間中は会社員を続けるのが現実的だと考えます。

そうなると、多くの人は50代くらいでFIREすることとなり、アーリーというには遅い気もしてきますが、子供がいてこの年齢であれば十分早い方でしょう。

もっと早くリタイアしたかったとしても、子供を持つ選択をしたのであればそこは覚悟を決めるべきだろう、と私自身に対しては思います。(もちろん、何を選択するかは人それぞれで、正解などありません。)

 

そのように考えると、FIREを虎視眈々と狙いつつ、持続可能な働き方を目指した方が家族全員が幸せかもしれません。

 

まとめ

  1. 子育て期間中のFIREは子供もリスクを背負う
  2. 人的資本を失うと想定外に対応しにくい
  3. 子供が自立して後にREした方がベターだと思う

 

最近、若くしてFIREしたり、DINKSでFIREを目指している人をよく見かけます。

FIREに関しては彼らの方が圧倒的に有利なのは言うまでもありませんが、そもそも、彼らと子育て世代とでは参加しているゲームが違うのです。

 

参加しているゲームのルール(特性)をよく理解し、家族全員が幸せに暮らせる選択ができるといいですよね。

私も焦らずじっくりと準備、選択していきたいと思います。

 

以上、終わりです。

 

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