そんな方向けの記事です。
「FIREしたい」という想いの強さは、人によって大きく差がありそうです。
- できたらしたい
- 興味がある
- FIはしたいけど、REはそんなに
というライトな願望から
- 10年以内に絶対FIREする
- 定年まで働くなんて死んでもごめんだ
- 一刻も早く会社から脱出したい
という強い願望まで、人によって千差万別です。
当然、後者のような強い願望を持っている人の方が、FIREに結びつく行動を取るわけで、その分FIREできる割合も高くなるのだろうと思います。
しかし、何事も「No Pain, No Gain(痛みなくして得るものなし)」です。
「FIREを目指すこと」で得るもの(Gain)はもちろんFIREですが、この場合の痛み(Pain)は何を指すのでしょうか。
本記事では
「FIREを目指すことによって、犠牲にするものは何か」
について考えていきたいと思います。
「FIREを目指す」とは、どのような状態か

何かを目指す場合、目指している対象が具体的であるほど、行動も具体的になります。
例えば、高校生が「〇〇大学に合格」を目指す場合、対象が非常に具体的であるため、手段と期間は目指した時点でほぼ決まりです。
出題される範囲が大体決まっているので、試験日までにその範囲を網羅しておくことが課題になります。つまり勉強すればいいだけです。
一方で、「幸せになること」を目指す場合、対象が抽象的すぎるため、行動が具体的に定まりません。
「自分にとっての幸せとは何か」と思考したり、何かしらの行動から、幸せに近づいているのかどうかを判断しなくてはなりません。
要するに、答えがないわけです。
「FIREを目指す」に話を戻すと、「ゴール(資産や時期)を自身で明確に定めることができる」と言う点から、目指す対象としては具体的な部類に入ると考えても良いでしょう。(明確に定めているかどうかは人それぞれですが)
となると、受験勉強ほどではないにせよ、「行動も具体的に定まる」ということになります。
「FIREに対する願望が人一倍強い人」に関しては、ゴールを明確に定めている傾向が観察されます。(それが願望が強い人の定義?)
その為、日々の行動と思考の多くをFIRE活動に費やし、それ以外の行動、思考を排除することに繋がるのは、想像に難くないです。
これを一言で表すと、「余白を圧迫している状態」だと私は考えています。
単に「自由な時間を圧迫している状態」とは意味合いが異なります。
「誰かに強制されてFIREをしなくてはならない」というわけではないでしょうから、FIREを目指して行動、思考しているときは自由な時間と言えるでしょう。
したがって、FIRE活動によって自由な時間が圧迫されるわけではないのです。
しかし、「余白」は確実に圧迫されます。
本記事での「余白」とは「行動、思考が限定されていない時間」のことです。
目指している対象が具体的であるがゆえに、行動と思考が最適化されてしまうこと。これが「余白を圧迫している状態」です。
大学受験を控える高校生は、自分の意思で勉強時間をコントロールできるわけですから、勉強によって自由な時間は圧迫されません。けれども、「余白」は圧迫されるのです。
このニュアンス、伝わるでしょうか?
「余白」がないとどうなる?

FIRE願望が強ければ強いほど、日常の「余白」は圧迫されます。
するとどうなるでしょう。
FIREへの道は限りなく一直線に近くなるため、早く高確率でFIREにはたどり着けるものと思われます。
その反面、脇道に逸れたり、戻ったり、留まったりという行為が難しくなります。
抽象的な書き方をしましたが、要は「FIRE以外の楽しさや喜びを見逃してしまう可能性がある」ということです。
普段、自宅までの帰り道をちょっと変えるだけで新しい発見があったり、気分が変わることはないでしょうか?
もしあるとすれば、それと同じです。
毎日同じ道を通った方が効率よく短時間で往復できますが、新しい発見は見つけにくいかと思います。
「余白」がないと、FIREへのこだわりが加速し、FIREの枠から外れた行動、思考をしにくくなるのです。
まとめ
- 「FIREを目指す」=「余白の圧迫」
- 「余白」は人生の楽しさや喜びを新たに作り出す
- 「余白」がないと、行動や思考が枠にはまってしまう
ここまでで、強すぎるFIRE願望は「余白」を圧迫する、ということを書きましたが、これはあくまでFIRE達成までの話です。
FIREを達成してしまえば、そこからはある意味、毎日が「余白」になります。
「余白」をいつ、どれくらい欲しいかを明確に決めているのが、「FIREを目指す」ということなのだと思います。
「今の小さな余白」より、「未来の大きな余白」を取る。
これがFIREという選択なのでしょう。
以上、終わりです。
【関連記事】
コメント
何事もとらわれすぎてしまうと、良かったものも悪くなってしまうので加減がものすごく難しい。FIREなどは特に加減が難しい部類に入るんじゃないかと思う。